12/31, 留学を終えて82日目
久々にこうして文章を書いている。帰国してから早二か月。日々の流れはあっという間で、別世界のような感覚も気づけば馴染んでしまっていた。
経験は、内省し、人に伝えることで初めて学びを引き出すことができる。この二か月を通じて、多くの内省の時間と伝える機会を頂いた。
留学という経験は、一口に「良いもの」と意味づけることはできない。多くの留学仲間との対話で抱いたのは、そんな感想だ。
得たいものは何か。なぜその旅に出るのか。そこで感じたもの、考えたものは何か。これから、どう生きるのか。
トビタテを通じて向き合ったこれらの問いは、一つ一つが重く、その度に苦しみもあった。
このプロジェクトは、自分の想いを他者に伝えるところから始まる。
自分の描く絵はどのようなものか。なぜそれを追い求めたいのか。その先に自分は何を見ているのか。
旅に出るには、まず自分の一歩を踏み出して、「見えないもの」を見ようとする必要がある。
そして、それが魅力的であること、他者を惹きつけられるものと認められた時、その挑戦は始まる。
思い描いた絵はあくまで絵でしかない。現実は時に過酷で、残酷で、それでいて美しさと慈愛に満ち溢れている。
その過程で、絵は一人のものではなくなっていく。
この8ヶ月で経験できたのは、そういった旅だった。
そして、終えた後で始まる旅もある。選択の末に残った今の軸は、相当に揺るぎのないものだ。
2017年が終わり、2018年が始まる。2年間、人より回り道をした自分も、今年からは社会に出てその力量を問われる。
分からないだらけのこの道も、また同じように進んでいけるだろう。今はそんな気がする。
薄れゆく記憶と、色濃さを増していく経験の両方を大切にしながら、また一歩を踏み出す一年にしたい。
良い、一年だった。