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雑記

Zumaの誕生日

04/12, 59日目

Ahmed Kathradaの死去に続いたPravin Gordhanの更迭。Zuma大統領の暴政によって大手による南アフリカランド(ZAR)の信用格付けは17年ぶりにjunk(投機的等級)に下がった。BRICSをはじめとする新興諸国では、経済成長の停滞が懸念されているが、南アフリカは特にその傾向が強い。リーマンショックの影響で世界的に不況となった2009年を除けば、2000~2011年はそれぞれ2.5%以上の経済成長率を維持していた南アフリカは、2014年1.63%、2016年0.12%と減少を続けている。

信用格付けのランクダウンは海外からの投資が減少することを意味する。結果として、物価の上昇や雇用の減少が現在の関心事だ。ただでさえここ南アフリカでは失業率、特に若年層の50%以上という数値が記録されており、明らかな社会課題となっている。不況の中での大統領による追い打ちは大多数の国民感情に火をつけた。政歴に汚職がちらつくZumaであるから、もともと国民に広く支持されていたわけではない。今回の騒動をきっかけに始まった大統領降ろしの運動、SNSでは#ZumaMustFallと呼ばれる運動はここ数年間の間にしばしば起こってきた。しかし、今回ばかりは国民の怒りも頂点に達しているようだ。4月1日のBlack Mondayに始まり、国内各地域でのデモはいずれも過去最大級のものとなっている。ケープタウンでも推定6万人以上のデモが行われた。

行政府のあるプレトリア、経済都市であるヨハネスブルグなど各都市でも同規模以上の行進が行われているようである。デモに際して屋台を開く者もおり、日本人感覚としてはまるでお祭りのような様相だ。

自分も4月6日にケープタウンで行われたAhmed Kathradaの追悼イベントおよびデモに参加してきた。この追悼式では更迭された前財務大臣のPravin Gordhanもメインゲストとしてスピーチを行うことになっており、開催前から多くの注目を集めていた。当日は2時間前に会場入りしたものの、会場だった教会はすぐ満席となり、席どころか空間が人で占められた。よくいうアフリカンタイムを考慮してもこの集まり方は尋常ではない。Gordhanの他にも様々な活動家、政党の方によるスピーチがあり、いずれも大統領の解職を求めていた。

教会前の人だかり
演説するGordhan

激化する国民感情に危機を感じた何人かの議員は辞職し、野党も不信任決議の準備を進めている。与党であるANC内にはまだまだZumaの味方が多数派を占め、辞職には追い込めないとの見方が強いが、間違いなく次回以降の選挙には影響するだろう。

#ZumaMustFallの動きは弛むことなく現在も続いている。今日12日はZuma大統領75歳の誕生日で、あえてこの日を#National Day of Actionとし、徹底的に抗戦する動きが各地で盛り上がっている。誕生日に自分の解職要求デモを見る本人の心のうちが気になるところである。直接の関係はないが、国内大手バス会社の従業員は兼ねてからの賃金交渉に会社および政府が応じないため、本日からストライキを実行中だ。いつもはよく見るGolden Arrowのバスも今日は一つも見かけない。交通手段は経済活動を支える柱であるし、多くの地域で混乱が生じている。結果として国民の不満はますます政府に向かう可能性が高い。

今月18日には不信任の秘密決議が行われるとの情報も出てきた(訂:本日夕方に延期が決まった)。カオスの最中ではあるが、インターンの身としては多くのことを議論し、吸収する機会となっている。他国を理解するためには自国を理解することが前提であるから、自分の知識不足も痛感中だ。勉強に対するモチベーションがだだ上がりな中で、色々な選択肢が頭に浮かぶ。今日で到着から2か月でもあるので、一度これまでを振り返り、残りの半年間につなげたい。

ここまでくると流石に同情する...