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03/15, 31日目 南アの通信事情 その他生活関係

最近他のトビタテ生にも聞かれたので、まとめも兼ねて。

〇通信事情
南アフリカ共和国ではメインの通信会社が日本と同じく3つある。(Telkomを含む4つとする場合もあり) 立ち位置や戦略を見ていると、
docomo ⇒ Vodacom
au ⇒ MTN
softbank ⇒ CELL C
といった感じだ。自分はCELL Cのプリペイド型Simを利用している。 プリペイド型Simとは、日本のようにキャリアで月払いの契約をするのではなく、Suicaのようにまずカードを購入して、そこにチャージして使う方法だ。非常にスマートで、料金も安いため助かっている。各キャリアのショップのほか、なんとスーパーでもSimが売っている。Simフリーのスマホさえあればすぐに通信環境が手に入るのは普通にすごい。もちろん、月払いの契約もできる。対応周波数については要確認だが、バンド1には上記3社とも対応しているので、それほど大きな心配はない。カードのサイズについては日本でいうnano・micro・miniすべて用意されているが、スーパーではnanoサイズの販売は行っていないところが多い。

Simカードの値段は会社にもよるが500円以下、通信料は500MBで900円くらい。(1GB1350円、2GB2250円とお得になっていく) チャージはオンラインでクレジット払いのほか、スーパーのレジで行うこともできる。この場合、シリアルナンバーが発行されてそれらを入力する。ちなみに、電気料金の支払いもこのスタイルだ。ポケットWi-Fiの選択肢もあるが、持ち運びが面倒なことと、充電管理を携帯端末の他にやる必要があること、料金が安いわけではないこと、そして何より電話番号が手に入らないのは意外と不便である。何かの登録に付けて電話番号を聞かれることが多いので、Simカードの購入をおすすめする。

自分がCELL Cを選んだ理由としては他に対する不信感とCELL Cが独自のサービスを展開しているからだ。まず、空港に降り立った初日、事前の調査でVodacomとMTNのショップが空港内にあることを押さえていたため、Simの入手に向かったのだが、どちらのショップでもいざパスポートを提示し手続きを進めると「オフラインになっちゃったよ」と言われる始末であった。他の外国人も非常に怒っていたのを覚えている。その後、近所のショップをそれぞれ3件以上回った際も同じ様相で、結局Simを入手するのに1週間近く要した。CELL Cは一発で完了したため、まさに天の救いに思えた。通信会社が生命線であるネットワークに不安を抱えているのは大きな危険だ。今のところCELL Cは速度も安定性も申し分ない。

独自のサービスというのは何を隠そうソフトバンクでいう「ギガモンスター」に近いことをCELL Cだけが行っていることだ。2017年3月15日現在、競合他社は同様の戦略やサービスを展開していない。後追いが過熱している日本とは大きな違いだ。(まだ十分な需要があるか不明なため、一人勝ちとまではいかないようだが) サービス内容を紹介すると、1年間有効な100GB or 200GBのチャージ、というものだ。先ほど紹介した500MBなどのチャージは基本的に1か月間有効なものとなっている。気になるお値段だが、100GBで13500円、200GBで18000円という驚愕の価格設定だ。後者の場合、月に16GBちょっと使えて、月額は1500円という計算になる。速度も下りで30Mbps、上り10Mbps辺りなので不自由は感じない。今のシェアハウスはWi-Fiはあるものの、月額20USDかつ通信が安定しない酷いものなので、非常に助かっている。テザリングをすればSim1つでPCも含めたネット環境が構築できる。

大手3社

総括するならば、南アの都市部(ケープタウン、ヨハネスブルグ、ブルームフォンテーン、ダーバン、ポートエリザベスなど)は最低限の通信インフラは整っている。ちなみにWi-Fiは普通のカフェでも設置していることが多い。ITビジネスも確実に増えてきているようだ。

〇交通事情
ケープタウンの交通は大きく3つに分かれる。電車、バス、タクシー(Uber)だ。 電車はケープタウン内だけでなく他の都市とも接続しており、その特徴は何といっても安さだ。札幌駅-新札幌駅(260円)、東京―品川(170円)と同等くらいの距離で70円。普通車両と高等車両があるのだが、グレードを上げても20円ほどしか変わらない。その分、安全性にやや難ありとはよく言われるが、インドの電車に比べれば混雑時でもすし詰めとまではいかないし、荷物は前に抱え、ポケットに何もいれないといった基本的なことをしていれば特に問題はない。もちろん、定期券などはよりお得になる。

続いてバスだが、バスの中でもいくつかの種類がある。いわゆる市バスと町バスだ。前者は一般的なバスの車両を使っており、路線も既定、バス停に時刻表に従って停車する。(時刻表はあってないようなものだが) 後者はハイエースなどのバンを利用しているもので、目的地のみが記された看板をフロントガラスに掲げ、途中下車や乗車が自由だ。どのバスに乗ればよいかなかなか分かりづらいが、これらのバスはちょっとした遠出や電車の駅がない地域に向かう際に重宝する。料金も電車とそれほど変わらない。地元の人が利用するのでアジア人の自分が乗ると間違いなく話しかけられる。安全面も大きな不安はないといった印象だ。バスに関しては1つ例外があり、中心部を比較的最近走り始めたMyCiTiというバスだ。ICカードによる完全事前チャージ制で、専用のレーンを走行する。料金もかなり安く、街歩きには必須だ。空港から市内へもこのバスを利用することができる。

新たな交通手段 MyCiTi

最後にタクシー。ここケープタウンはUberの進出が凄まじい。通常のタクシーは料金も高く、サービスも良くないことが多いらしい。加えて、料金の交渉に苦労する。Uberは距離や時間帯に応じた完全オンライン決済なので、チップなども要求されることはない。料金は安くないものの、日本よりははるかに利用しやすい。先ほどの区間で言うと、電車90円の場所がUberだとだいたい700円ほどで行ける。手配も簡単、忘れ物や不満点があった際もアプリを通じて連絡ができるので安全面では一番に軍配があがる。安全をお金で買って移動したいとき(夜や治安のよくない地区)には最適だ。Uberのアプリ登録には電話番号が必要なので、Simカードの入手は必須である。

3つの手段のまとめ

〇買い物
基本的にいたるところにスーパーやKioskがあり、見つけるのには困らない。物価はお菓子や既製品はそれほど安くないが、野菜や肉はかなり安い。玉ねぎ大4つで80円、ぶどうが2房で90円、鶏肉が100gで40円といった感じだ。肉はその他に豚と牛と羊がある。食材はだいたいのものが揃っており特に不自由はない。なんと醤油も普通に買える。そして何よりワインが安く、おいしい。調べてみたところ日本で3500円クラスのものが500円ほどで買える。帰国まで何本開けられるか挑戦中である。

〇お金の管理
今回自分が利用しているのはNEO MONEYだ。プリペイド式のクレジットカードで、南米の時からお世話になっている。特徴としては独自のレートで使用時に両替が行われ、そのレートが通常の両替よりもかなり良いということだ。特に、南アフリカランドはvisaの通常レートよりも30%近くお得らしい。カードへのチャージはオンライン上でできるので、日本の口座から入金し、こちらのatmで引き出す、もしくはクレジットカードとして使う、といった用途が可能だ。ケープタウンにはatmとしてabsaとStandard bankの2つがだいたいどこのお店にもある。Standard bankはatmの手数料が平日の日中は無料なのでよく利用している。お金の引き出し方も、上記のカードをatmに差し込み、暗証番号を入力、言語を英語にし、Withdrawal(引き出し)を選択、引き出し元をSaving(預金)にすれば問題なく現金を入手できる。一般的な両替のレートがだいたい1ZAR≒11円ほどなのに対し、この利用法だと1ZAR≒9円ほどで考えられるのでかなり節約できる。加えて、必要なときのみ引き出しができるので安全だ。カードを紛失した場合は再発行も可能である。

以上、到着から1か月経っての生活事情をまとめてみた。ケープタウンは比較的治安も良く、基本的な防犯意識があれば今のところ危険に感じたことはない。それでいて多くの自然や他アフリカ諸国への窓口ともなるので、より多くの人に興味をもって訪れてもらえたらと思う。